おんぼろの窯

窯1窯2
僕の窯の特徴は、ぼろいのと一日の作業後に火を落としていることです。朝に火をいれ、午後より吹きをはじめます。
もうひとつ、灯油を燃料に、溶解、あぶり、除冷とひとつのバーナーで兼用してるのも珍しいでしょう。
中には、10斤と3斤の坩堝が1本ずつ入っています。3斤は色用ですがほとんど使いません。
こんな窯になったのは、ひとえにさきだつものもなく、続けるお金も心配だったからです。

そのうち窯をつくったときの話、構造などのことも書こうと思っています。
忘れかけた頃にまたお立ち寄りください。

 


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ワイルドキャッツグラスハウス

 

猫は一匹います。ミチル(本名、山下金吾)。(残念なことに1998年秋、雨の夜にひとり旅立ちました。享年11歳。)
しかし、ワイルドキャッツ(グラス)ハウスは、猫を飼う前から、ガラスを始める前からありました。暇にまかせては、三上寛、光玄、インド音楽のコンサートや、内々の花見や手打ちうどんを食べる会を企画し、ワイルドキャッツハウス主催などとかたって喜んでました。 三上寛

ワイルドキャッツハウス、日本語にすれば、「山猫軒」です。
有名な童話に出てくる怖い料理屋です。
この日本語の名がよかったのですが、当時、松本には山猫軒というカレー屋がありました。ドライカレーがおいしく、なかなか評判の店でした。
おなじ名では、真似するようなので、仕方なくワイルドキャッツハウスになったという訳です。

そしてガラスを始め、工房の名前は?と聞かれるのがたびたびになり、格好をつけなくてはときわめて安直にグラスをはさみました。

しかし、この名前、なかなか気に入っています。
WIldcat--辞書には、短気な、無謀なとありますが、Wildcat strike (山猫争議)といえば、違法なストライキ、Wildcats Money とは、昔、アメリカ西部の金鉱だけで通用した貨幣だそうです。
どうもワイルドキャッツには、あやしげなとかの意味もありそうです。

僕のやってることも、ちょっと風変わりです。泡がまじっていても気にしないし、完成した形でなくても面白いと思えればいいことにしてます。
コップにしても、一番たくさんつくっているのは、何の変哲もない普通かたちのコップです。
それを、あやしげなガラス屋がつくっているとなれば、楽しいような気がします。



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前田一郎

 

顔42年前、鳥取県倉吉市に生まれる。8歳より高校卒業までを鳥取市で過ごす。
その後、松本市に1年、東京に1年半、中国に通算5ヵ月、その他は長野市に住み続ける。
特に長野が気に入った訳でもないのに長くなりなした。

先日、テレビで放映してた「男はつらいよ・寅次郎の告白」は鳥取がロケ地でした。心傷ついて旅に出た及川泉(後藤久美子扮する)と寅さんが再会する場所、落とした豆腐が流れていく川は僕の生まれた家の裏を流れていました。
かつての中心街はさびれてしまいましたが、いまは玉川沿いの土蔵群が観光の目玉になっています。

それはそうと、嫌いだった寅さんを熱心にみてしまったのは、どういう理由でしょう。

(1996年 記)


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難波硝子製作所

燃料は山のてっぺんから引いた天然ガスと廃油。
ガラスの原料は廃ビン、牛乳壜やらペプシコーラなどなど。
窯築きのときは、新しいレンガなど使いません、耐火モルタルで埋めちゃいます。
工場、窯はぼろいけれど、ほとんど自作の設備でした。
このおかげで、金などかけなくても工夫さえすれば、なんとか続けてゆけそうだと勇気をもらいました。


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